赤坂周辺にゆかりのあるショップが自慢の品々を持ち寄って赤阪インターシティAIRに集った「赤坂マルシェ 好きです。赤阪・虎ノ門」が9月27日~29日に開催されました。今年で6回目を迎えるこのマルシェには、23のお店が出展し、近隣で働く方などがさまざまなモノと出会うひとときを過ごしました。晴天に恵まれた3日間、同ビルB1階にある「AIRプラザ」と屋外の「サンクンガーデン」で開催されたマルシェの様子をレポートします。
Text: Yukako Ishizuka
スイーツやコーヒー、お弁当のほか文具や雑貨まで勢ぞろい

きれいに並べられたスイーツ。どれもおいしそう。

赤坂のいろいろなショップの品が一堂に。
「赤坂マルシェ」に集まったのは、赤坂周辺の23のショップや会社。「松月」や「赤坂相模屋」「赤坂浅田家」「赤坂福砂屋」「赤坂柿山」「土橋園」など50年、100年と続いている老舗名店から、「リベルターブル」や「アラボンヌー」「Chez TAKEYAMA」など今をときめくスイーツのショップ、「MAMANO」や「hossimo」など唯一無二のお店まで、普段はなかなか一堂に会すことのないショップが 3日間、赤坂インターシティAIRに集まりました。赤坂の老舗料亭「赤坂球磨川(くまがわ)」など近隣の飲食店のさまざまなお弁当も販売されたので、ランチタイムはお弁当や食後のスイーツを目当てに大盛況。界隈に勤務する方々もふだんとひと味違うランチタイムを楽しんでいました。
また食べ物だけでなく、靴下の「ナイガイ」や文具の「オカモトヤ」、宮内庁御用達の陶器店「陶香堂」など、幅広いジャンルのお店も出店していました。「いつも前を通るあのお店、こんなものを売っているんだ」と気になっていたお店の品々と出会えたり、「こんなすてきな物を売っているお店が近くにあるんだ」と今まで知らなかったお店を発見したりと、赤坂周辺の魅力をさらに知る機会になりました。
品々とだけでなく、人とも出会えるのが赤阪マルシェの魅力。マルシェに直接赴いている店の方たちもいて、自らの言葉でお客さんに自慢の品々の魅力を伝えていました。
その思いを聞くと、マルシェに並んだ品々がさらに輝いて見えてきます。

「陶香堂」の美しい陶器は、見ているだけで心やすらぐ。

創業111年の「オカモトヤ」には個性あふれるオリジナルデザインの文具も。
創業131年 赤坂の老舗茶屋「土橋園」が守り続けるお茶

「土橋園」の土橋誠さん。お茶のことを何でも聞ける貴重な機会。
マルシェ入り口付近で、羽織姿で客を迎えていたのは、赤坂一ツ木通りにあるお茶屋「土橋園」の土橋誠さん。創業明治25年、赤坂の地で125年以上お茶一筋に営む老舗店の店内では、日本茶や抹茶などさまざまなお茶と一緒に、和菓子も楽しめるカフェスペースもあるそう。このマルシェでは、「土橋園」が長年携わってきた、静岡掛川産のお茶の葉以外にも、ティーバッグなどオフィスタイムにも気軽に飲みやすい商品も揃えてありました。
「家に急須がないという家庭も増えてきています。そういう方のためにティーバッグの日本茶もあります。昔ながらの味を大切に守りつつ、時代の流れに合わせた商品を開発しています」と土橋さん。日本茶のおいしい淹れ方など、日本茶について何でも答えてもらえて知識を深められます。お話を聞いているうちに、オフィスタイムや家に帰った後のほっとひと息タイムに日本茶を飲んで心やすらぎたいという気持ちになりました。

土橋さんおすすめの「利休」は、日本茶ビギナーも楽しみやすい。
赤坂インターシティAIRから誕生!? スカパーが作った全く新しいクレヨン

開発者の一人、スカパーJSAT株式会社で広報をしている清野正一郎さんが自らクレヨンを販売。
マルシェ奥側の文具コーナーでは、虎ノ門の老舗文具屋「オカモトヤ」とスカパーJSATがブースを出していました。スカパーJSATのブースでは、『海のクレヨン』『山のクレヨン』の開発者の一人である清野正一郎さんに、地球の色を使ったクレヨンの誕生秘話を聞くことができました。衛星通信業者であるスカパーJSATに勤務する清野さんは、衛星写真を何かに活かせないかと考え、クレヨンが大好きな息子さんをヒントに、地球の色を使ったクレヨンを作ることを思いついたそう。とはいえ、社内では前例がなく、クラウドファンディングを経て製品化を実現した苦労を聞かせてくれました。「地球の色を使うといっても、同じ場所でも季節によって色は変わります。どの時期のどの場所の色を使うか、色の開発にはとても苦労しました」と話す清野さん。地球の色の美しさを子どもたちに知ってほしい、そんな思いがクレヨンに込められています。赤阪インターシティAIRにオフィスがあるので、「このビルで素敵なクレヨンが誕生した」と思うとワクワクします。

実際の地球の色から作られた『海のクレヨン』『山のクレヨン』はさまざまな賞も受賞している。
赤坂茜茶屋ではとっておきのコーヒー&スイーツを堪能

のんびりと屋外で過ごせるカフェスペース。オフィス街とは思えない開放感。
屋外のサンクンガーデンでは、「hossimo」と「Bun Coffee」という赤阪で注目のカフェ2店による「赤坂茜茶屋」が開かれていました。オフィス街とは思えない開放的なスペースで、ゆったりとカフェタイムを楽しめる空間でした。偶然にも、どちらのカフェもオーストラリアにゆかりのあるコーヒーを販売していたため、丁寧に淹れてもらうコーヒーを飲んでいると、リゾート地にいるような気分にしばし浸れる時間を過ごせました。

「hossimo」では有機栽培の紅はるかを丸干しした干し芋と、干し芋によく合うコーヒーを販売。

「Bun Coffee」イチオシの「Costa Rica Tarazzu」は、シナモンの香りがふわっと広がり、
まるでアップルパイのような甘みと酸味が味わえる。
赤坂インターシティAIRで思わぬ人やモノとの出会えた「赤坂マルシェ」の3日間。赤阪周辺にゆかりのある店が一同に介したマルシェは、知っているようで知らないことの多い、赤阪周辺の新たな魅力を発見した気持ちになりました。出展したお店は赤坂や虎ノ門にゆかりのあるところばかりなので、時にはいつもよりちょっと足をのばしてマルシェで出会った人やモノにもう一度再会してみるのもおすすめです。